新潟大学医歯学総合病院 院長
呼吸器・感染症内科
菊地 利明
新潟市医師会会員の先生方におかれましては、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。この度、令和7年4月1日付けで新潟大学医歯学総合病院長を拝命いたしました。本稿を借りまして、ご挨拶させていただきます。
私は平成2年に北海道大学医学部を卒業後、東北大学で研鑽を積ませて頂き、平成27年2月より本院で呼吸器・感染症内科を担当させて頂いております。そしてこの4月から、身に余る重責を担うこととなりました。
就任にあたり、地域医療構想における当院の役割を将来にわたって確実に果たしていくことを基本とし、医育研究機関としての機能を時代の変化に対応させながら強化していきたいと考えております。
本院は、医科32診療科、歯科5診療科の計37診療科、827の病床(うち38床を休床中)を有する新潟県唯一の特定機能病院として、年間25万人の入院患者、年間50万人の外来患者、年間8千件を超える手術を担い、名実ともに新潟県の三次医療圏を支えております。2千名を超える病院スタッフとともに、高度かつ先進的な医療を日々提供しております。
しかしながら、医療を取り巻く環境は急激に変化しております。医療材料・医薬品の高額化、エネルギー価格の高騰、診療報酬改定に伴う人件費増加など、医療経済の課題は深刻化しております。加えて、令和6年4月から施行された医師の働き方改革により、従来の診療体制の見直しも同時に進んでいます。さらに、地域の人口減少と高齢化の進行は、医療需要の質的変化をもたらしており、これらの複合的な課題への対応が求められております。
このような状況を踏まえ、本院では「新潟大学医歯学総合病院改革プラン」を策定し、持続可能な運営基盤の確立に向けた取り組みを本格化させております。具体的には、「Monday プロジェクト」の拡充、医療DX推進による業務効率化、多職種連携によるタスクシフト・シェアの推進などを通じて、医師の働き方改革と診療機能の維持を両立させてまいります。なかでも「Monday プロジェクト」は、月曜祝日に一部手術室を稼働させるというプロジェクトで、手術の待機患者を少しでも減らしながら、病院収益の改善にもつなげていこうとこれまで行ってきました。令和6年度は3回行いましたが、今年度は実施回数を5回と増やします。さらに、手術室に加えて、病棟診療や外来診療の一部も平日の月曜日並みに拡充することを予定しております。
地域医療構想の実現が求められる中、大学病院と地域診療所との機能分化と連携はますます重要となっております。本院は高度急性期医療、先進医療、三次救急医療に特化し、回復期・慢性期医療、在宅医療については地域の先生方との緊密な連携のもとで、効率的で質の高い医療提供体制の構築を目指しております。その具体的な一つの取り組みとして、厚生労働省のモデル事業として「にいがた脳心センター」を今年7月院内に開設しました。にいがた脳心センターでは、新潟県・医師会・地域の医療機関と連携しながら、心疾患や脳血管疾患の治療に包括的な支援体制を構築していきます。
私たちが直面している課題を乗り越え、地域住民の皆様により良い医療を提供するためには、大学病院と地域医療機関が密に連携していくことが不可欠です。今後とも、本院の運営につきまして格別のご理解とご協力を賜りたく、お願い申し上げます。
(令和7年8月号)