富山 武美
2024年は元旦から地震、飛行機事故と波乱の幕開けとなりました。被災者の方々の生活の早急な復興を、お祈り申し上げます。さて私は、多くの方に支えられながら、豊栄病院外科に29年間勤務し、2023年3月末に無事に副院長職を定年退職いたしました。現在は同院の健診センターに勤務しています。
思い起こせば8~9年ほど前ですが、高校同期の仲間と飲んでいるとき、定年退職が話題になりました。厚生連の副院長の役職定年は66歳ですので、当時、自分にはまだまだ時間はあると考えてました。ただ、退職後の生活に興味があり、楠木 新著『定年後 50歳からの生き方、終わり方』という本を買って読んでみました。その中に、定年後の準備は50歳から考える。1.定年後も仕事を持つ、2.配偶者との良好な関係を築く、3.体調、健康の管理を行う、4.趣味を持つという事が書いてありました。
外科医の定年を迎えても医師としての仕事は続けられますので、1は大丈夫、2はまあまあ大丈夫、3の健康はまだ大丈夫、と思っていました。4の趣味でちょっと考えました。当時も趣味として、休日にはゴルフを楽しんでいましたが、平日ゴルフはまだまだできません。練習といえば大会前に少々するだけです。何かこれからでも始められて、年を取っても続けられる趣味はないかと考え、思い出したのが父のことでした。以前、遺品整理の時、趣味として書き残した、書画骨董の目録と、琴古流の尺八と楽譜があり、父が演奏をしていたのを思い出し、「そうだ楽器を習おう」と思い立ちました。
ピアノは小さいときから始めてないと無理そうですし、ドラムはかっこいいけど手足を同時に動かせませんので無理かと考えました。中学生の頃に買ってもらったギターはセーハができず断念してます。もしかしたら管楽器ならば自分でもできるかなと、グーグル君の力を借りて調べてみると、金管楽器より木管楽器の方が音を出しやすく、サックスは指使いがリコーダーのようで演奏しやすいとありました。そこで「そうだサックスを始めよう」となったわけです。またサックスにはソプラノ、アルト、テナー、バスの4種類があることもその時に知りました。当時、ビックコミックで「バスケ部だった高校生・宮本大がテナーサックスを始める」という話(映画になった『BLUE GIANT』の始まり部分)があり、「そうだテナーサックスをやろう」と決めました。
私の音楽への気持ちが長続きするか、不安だったので直ぐに楽器を購入しませんでした。サックス教室は新潟にヤマハとアポロンの二つが有ります。どちらもレッスン時に楽器を貸出す制度があり、2017年60歳の12月に、家から歩いて通えるアポロン東堀店で体験レッスンを受けました。サックスを演奏することが楽しく感じられたので、翌月から月3回のレッスンを開始し、一年もすると何時でももっと吹奏する時間が欲しくなり、ヤマハ教室にも月3回通うようになりました。さらにもう一年もすると、自由に吹ける楽器が欲しくなり、友人のテナーサックスを借りて、休日にカラオケルーム等でも練習するようになりました。その後にそのサックスを譲り受け、現在に至っております。
その後の経過をもう少しお伝えしたいのですが、編集部の依頼の1000字を超えました。次回の新潟ジャズストリートでお会いしたときに、お聴き頂ければ幸いです。
(令和6年2月号)