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新潟市医師会報より

新潟市医師会

60の手習いではじめてもう9年

富山 武美

2026年は平穏な元旦を迎えました。箱根駅伝で青山学院大学の三連覇、全国的な寒波と大雪、でも新潟市といえば、まだ、ましでした。いろいろとSNSでの議論のあるなか、衆議院選挙、自民党が3分の2を超える圧勝。もうそのことも忘れるほどの、ミラノ・コルティナ冬季オリンピックでのメダル量産です。この原稿の締め切りを今週末に迎える私は、2024年2月の新潟市医師会報でのご報告とあまり変化がありません。豊栄病院健診センターで、健康づくりを望む人々と、私も慌ただしい日々を過ごしています。検査結果の確認や説明が終わった今日は、冬の灰色の雲の切れ間から細い陽光が差し込んでいました。その光は、来るべきゴルフシーズンの到来を間近に感じさせます。

ゴルフとともにサックスの趣味は未だ続いており、どちらも、上手くならないのが共通点です。むしろゴルフは年々下手になる。飛ばなくなる、ふらつく、スコアが悪くなるというストレスフルな楽しみですが、サックスは少しずつ、レパートリーが増える、間違えが減る、アドリブがちょっとできるなど、古希を迎える歳になっても少し進歩ができる楽しみがあります。昨年11月29日に東映ホテルで、医師会総会のあと、演奏させていただきました。意外にも多くの方のお褒めのお言葉を頂き、またやる気が出ました。今年の1月24日に新潟ジャズストリートにも参加させていただきました。録音を聞くと打ちひしがれますが、それもまたそれで練習しようと思いました。

サックスは他の管楽器と比べると、音が出しやすく、中学校の時に習う縦笛に似た運指で入りやすい楽器です。カラオケバックに独りで演奏するだけならば自己満足で良いのですが、人前での演奏で演奏するとなると緊張します。よい音を出すとなるとこれがまた大変で、リードがよく振動するアンブシュアを掴まなければなりません。緩むと音がでなくなり、逆に締めすぎるとリードミスといったピーピー鳴る音がでます。呼吸法もまた奥が深く、腹式呼吸でしっかり息を支えます。長いフレーズを吹くときに息が足りなくなると音が揺れ、あるいは止まります。サックスは「息の楽器」と言われるそうで、呼吸の質がそのまま音の質に現れるようです(実は私自身はまだ理解ができていません)。

そして、サックス奏者なら誰もが一度は迷い込む沼があるらしいです。“マウスピースの沼”

“リードの沼”“リガチャーの沼”さらには“楽器の沼”などがあるようです。音色を良くしたい、もっと吹きやすくしたい、ジャズらしい響きが欲しい……そんな欲が出てくると、リードの硬さ、マウスピースの材質や開き、楽器のメーカーや年代が気になり始めるようです。試してみればそれぞれに個性があり、「これだ」と思っても数日後にはまた別のものが気になってしまう。まるで底の見えない沼に嵌まるようなので“沼”というらしいです。私は沼には全くハマっていません。本当に全然嵌まっていませんよ。ただ楽器が3本、ネックが4本、マウスピースが8個、リガチャーが10個あるだけです。まあ、夜飲んでヤフオクでポチッとすると翌々日にはなぜか届いています。その過程もまた楽しく、気づけば時間を忘れてしまいます。

外科医を卒業し健診医になってみると、夜間の電話はありませんが、平日はそれなりに仕事があるので練習時間が確保できません。楽器の音量上、夜間自宅で練習というのは難しいので、土日が練習日になっています。冬場はそれなりに練習日が取れましたが、ゴルフシーズンが始まるとまた練習時間が減りそうです。とはいえ時間が取れなくとも、深く息を吸い、基礎練習をする時間が、心を洗ってくれます。相変わらず、音が震える、裏返る、高音域がつまる状態ですが7年前に比べると進歩しているようです。

その後の経過をもう少しお伝えしたいのですが、編集部の依頼の1000字を超えました。ここらで終了にいたしたいと思います。

(令和8年3月号)
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