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新潟市医師会報より

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『ロビン・フッドの冒険』

高橋 康昭

少年少女文学館という少年少女読物シリーズを愛読している。その第一の理由は、このシリーズは文字が大きくて読みやすい。内容も少年少女向けになっているので、難しいことも易しく書いてあるので判り易い。最近、そのシリーズの『ロビンフッドの冒険』というのを読んでみた。

医師会報に掲載する書評というのに、少年少女シリーズというのは、ちょっと恥ずかしい思いがしないわけでもないが、最近の私は年齢のせいか? ボケがひどく、目もよく見えないので、小さい活字は読むのに一苦労する。

本を買うとき、以前は書評に掲載されたもののなかから、興味のあるものを書き出して、FAXで書店に申し込み、入荷の知らせがあったら、受け取りに行くというパターンで書籍を購入していたが、現物を確認しないで購入した本の活字が小さくて読めないものもあったり、文字は読めても、文体が難しくて理解できないものもしばしばでてきたので、最近では、メモを持って書店に行き、現物を手にとってみて、私の視力、理解力で読み得るか? 理解し得るか? を確かめてから購入することにしている。

「昔、イングランドの森に、緑の服を着て、緑の帽子を被った140人の盗賊がいた。その盗賊の大将こそはロビン・フッド」という巻頭言で始まるラジオ・ドラマがあったが、私はロビン・フッドが大好きである。

ロビン・フッドは何処にいたのか? それはイギリスのノッチンガムの近くのシャウウッドの森にいた。但し、ロビン・フッドは世界的に有名になっているが、実在していたのか否かについては不明で、伝説上の英雄である。

140人もの仲間、といっても盗賊仲間の子分ばかりなのだから、法的にはこいつ等は悪の塊りのなのだろうが、それが「正義の味方」として、時の権力者に立ち向かったのだから、権力を持っていない庶民からすればたまらない。

水戸黄門なんぞよりも痛快な話が、わんさとあったことだろう。

そんなに世界的に有名になったのに、事実は「ロビン・フッドの冒険」と言うような作品を書いた特定の作者もいないというところが、尚のこと面白い。全く伝説上の英雄である。

歴史的にみて、ロビン・フッドは何時、どんな時代にいたのか?というと、それは十二世紀である。十二世紀というのはノルマンデイ公ウイリアム一世(1066〜1087)から、約百年後の頃のことである。

この時代のイングランドの王家は、大陸から渡ってきたノルマン人の政権だった。

何処の国でも、よそからやってきた権力者には反発するものだが、イングランドでも、ノルマン系の支配者・役人に対して、地元のものが古くから持っている土地勘をフルに使って、嫌がらせをやったのが、後のイングランド人の祖先となったシャウウッドの森の住人達だったのだろう。

シャウウッドの森なぞというのは伝説上の森かと思っていたのだが、これは実在する森である。

イングランドの中央部付近のやや北にイーストウッドという炭鉱街がある。チャタレイ夫人の恋人のモデルが住んでいた炭鉱街である。ここはノッチンガムのすぐ近くで、ノッチンガムはノルマンデイ公ウィリアム一世の街で、ロビンフッドの街でもある。

平成17年の4月、ポルトガル旅行の帰途、私はロンドンに立ち寄って、イーストウッドを訪ねてみた。

イーストウッドを訪ねてみたら、この付近にロビンフッドのシャウウッドの森があることが判った。シャウウッドの森はノッチンガムの北東50キロ付近にあるという。

私は元来、ロビンフッドが大好きなのだが、その物語は、わが国の桃太郎伝説のような架空の物語で、シャウウッドの森なぞというのも伝説上の地で、現実には存在しない、と思っていたので、その土地が現実に、この地(ノッチンガム)から、僅か50キロぐらいのところにあると聞かされれば、このまま帰るわけにはいかない。その日の午後、私はシャウウッドの森を訪ねることにした。

シャウウッドの森というのは伝説上の森だと思っていたのだが、そこは現存する行楽地だった。森の中には立派な遊歩道があって、大勢の行楽客が楽しんでいた。この日はロンドンからのバイク遠足ということで、十数人の、初老の人達も混じった一行も来ていた。

シャウウッドの森は、森の入り口のビジネスセンターから2キロぐらいのところに、広場があって、そこに巨大な樫の木がある。その木の幹に、大きな洞穴があって、ロビンフッドが隠れていたとか、食料貯蔵庫としていたとかいうことだったが、バカに綺麗な洞穴で、とても800年もたった洞穴とは思われないような洞穴だった。

ロビンフッドの話は面白い。

『ロビンフッドの冒険』という作品を書いた特定の作者はいないというが、イギリス各地にある、ロビン・フッドの言い伝えを集めて、それをもとにして、ハワード・パイルと言う人が『ロビンフッドのゆかいな冒険』という作品を書いた。それを元東大英文科教授の中野好夫先生が翻訳されたのがこの本である。

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『ロビン・フッドの冒険』

著者 ハワード・パイル
訳 中野 好夫
出版社 講談社 少年少女世界文学館
価格 1,995円(税込)

(平成23年6月号)

  • < Mary Dobson原著:小林力訳 『Disease ─人類を襲った30の病魔─』 ─イギリス女性医史学者によるユニークな疾病史─
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