大滝 一
まず、そのタイトルにやられました。合わせると「人生はワンチャンス、ニャンとかなる」ふざけたネーミングのように思えますが、内容はなかなかにしっかりしています。ワンちゃんが2012年暮れに出て、ニャンコがその1年後に出版されています。売れ行きは上々で、甲乙つけられないようです。
世の中には犬派と猫派がいて、どちらかというと犬派が多いと言われていますが、あなたはどちら派ですか。私は中学までは完ぺきな犬派でしたが、7年前に猫を3匹(現在5匹)を飼うようになってからはすっかり猫派になってしまいました。
この本は本格的に読むというよりは、時間がちょっとあいたときに気楽に楽しむという方がいいかもしれません。何と言ってもそれぞれワンコとニャンコの写真が満載です。気に入った写真があれば、1ページずつミシン線で切り離せるようになっています。読者のことをよーく考えています。気が利いていますねえ!
私が一番気に入っている写真は、ワンちゃんの14番目の「好敵手(ライバル)を知るものが勝つ」です。ワンちゃんが開いた本に見入っています。その本のタイトルは、何とライバルのニャンコに関する「ALL about CATS」です。好敵手を知ろうと真剣なのです。その他にはニャンコの17番「本物と偽物を見極めよう」で猫がマウス(本物?偽物?)を見つめている写真がいいですねえ。
内容としてはニャンコの37番、「肩の力を抜こう」の中の偉人達の名言で、フランスの画家のドラクロワが言った「少し食べ、少し飲み、そして早くから休むことだ。これは世界的な万能薬だ」です。とてもできませんが、少しでも近付きたいと努力はしています。またワンちゃんの23番、「One for all. All for one」の中の名言では「誰であれ、他人を誠実に助けようとすれば、必ず自分自身をも助けることになるというのは、人生の最も美しい報酬の一つである」や、同じくワンちゃんの41番、「最初に動こう」の名言ではイタリアの詩人ダンテの「欲せよ、第一人者であることを」が強く心に残りました。
気楽に読むのがいいと前述しましたが、私は東京での研修会の際に、新幹線で気楽に読み始めたら、2冊をあっという間に真剣に読み終えていました。ワンコ、ニャンコ、見た目はソフト感で溢れていますが、中身はぎっしり濃厚、お薦めの2冊です。
『人生はワンチャンス』
『人生はニャンとかなる』
著者 | 水野敬也+長沼直樹 |
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出版社 | 文響社 |
定価 | 各1400円(税別) |
(平成26年9月号)