勝井 豊
著者は琉球大学名誉教授の西巻 正博士である。新潟大学医学部を1979年に卒業し、2002年に琉球大学教授に就任された。専門は消化器外科学で2019年に退官され、現在は新潟に戻っておられる。これまでに多くの写真コンテストに入賞されているが、2021年には新潟日報写真コンテストで見事、優秀賞に輝いておられる。
著者によると、鳥類は世界に9000種ほどいて、そのうち635種が日本の鳥であり、その中から身近な鳥として69種が本書で取り上げられている。ご自身が沖縄で撮影されたメジロ、イソヒヨドリ、ミサゴと、新潟の湖沼や公園で撮影されたコハクチョウ、ヨシゴイなど、数年間にわたって撮影された野鳥が105葉の写真により紹介されている。どの鳥もハッとするほど美しい。
撮影場所は鳥屋野潟や佐潟、瓢湖、上堰潟などの水辺や、関屋浜、弥彦公園、秋葉公園などの馴染みの場所であり、私たちの近くに素晴らしい自然が残されており、そこで鳥をはじめとする様々な生き物が生命をはぐくんでいることを、改めて教えられた。個々の写真についての解説がエッセイ形式で、巻末に16ページ載っており、読み物としても興味深く面白かった。
鳥はいつでもどこでも簡単に見つけることができる最も身近な野生動物であると著者は述べているが、猛禽類の飛んでいる姿や小鳥が昆虫を捕食する瞬間、また喧嘩や子育ての様子が鮮明に写し撮られている。身近な鳥たちの美しくも逞しい姿に感動した。この写真集を早速、クリニックの待合室に置かせていただいた。
『写真集 身近な鳥の素敵な世界』
著者 | 西巻 正 |
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出版 | 新潟日報事業社 |
定価 | 本体1,800円+税 |
(令和4年4月号)