大川 彰
『地球の歩き方』は、海外旅行のガイドブックとしてお世話になった方も多いと思います。2020年に新型コロナウイルス感染症で緊急事態宣言が発出されると、多くの書店が閉まって本が売れなくなりました。加えて海外旅行にも行けないということもあり、売り上げは9割減まで落ち込んだそうです。ところが、延期された東京オリンピックを見込んで出版していた『地球の歩き方 東京』が徐々に評判となり、日本にフォーカスした新シリーズを追加するなどしたところ、今では売り上げはV字回復したそうです。
私も試しに『地球の歩き方 東京 23区』(現在、本書は23区と多摩地域に分かれています)を購入してみました。この一冊には、東京の魅力が詰まっており、観光スポットから隠れた名所まで、幅広い情報が網羅されています。まず、東京の主要観光地についての詳細な情報が提供されています。例えば、歴史と現代が交錯する浅草エリアでは、浅草寺や雷門の見どころだけでなく、周辺の賑やかな商店街やグルメスポットについても紹介されています。また、東京のシンボルである東京タワーや新しいランドマークの東京スカイツリーについても、訪れる際のポイントやおすすめの時間帯が詳述されています。東京ドームシティや上野動物園など、家族連れに人気のスポットも詳細に解説されています。さらに、渋谷や原宿などの若者文化の発信地や、おしゃれなカフェやショップが立ち並ぶ表参道・青山エリアの最新トレンドも網羅されています。
観光地だけでなく、東京の多彩なグルメ情報も充実しています。老舗の和食店からミシュラン星を獲得した高級レストラン、さらには庶民的な居酒屋やラーメン店まで、幅広い選択肢が紹介されています。特に、エリアごとのおすすめグルメスポットや、各店の人気メニューなどが詳しく解説されています。
また、東京の交通網についても詳しく説明されています。複雑な地下鉄やバスの乗り方、便利なICカードの利用方法、効率的な移動ルートの提案など、初めて東京を訪れる人でも安心して移動できるよう配慮されています。
宿泊施設に関しても、『地球の歩き方 東京 23区』は充実しています。高級ホテルからビジネスホテル、ゲストハウスやカプセルホテルまで、予算や目的に応じた様々な選択肢が紹介されています。それぞれの宿泊施設の特徴や利便性、予約の際のポイントなども詳述されているため、自分に最適な宿を見つけやすくなっています。
さらに、『地球の歩き方 東京 23区』では、訪問者がより深く東京を理解するための文化情報も提供しています。例えば、東京の歴史や伝統、現代の文化シーンについてのコラムが充実しており、観光だけでなく、東京の背景にあるストーリーを楽しむことができます。また、季節ごとのイベント情報や、特定の時期にしか楽しめない祭りやフェスティバルについても詳しく紹介されています。
今の東京がよくわかりますので、是非一度手に取ってみてはいかがでしょうか。
『地球の歩き方 東京 23区』
出版社 | Gakken |
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発売日 | 2023年7月13日 |
定価 | 2,200円(本体2,000円+税10%) |
(令和6年7月号)