新潟市医師会

  • 新潟市内の医療機関を探す診療科から
    • 内科
    • 小児科
    • 整形外科
    • 皮膚科
    • 眼科
    • 外科
    • 耳鼻咽喉科
    • 産婦人科
    • 精神科
    • 脳神経外科
    • 泌尿器科
    • 脳神経内科
    • 心療内科
    • その他
  • 新潟市内の医療機関を探す地域別から
    地域から探す
    • 秋葉区
    • 北区
    • 江南区
    • 中央区
    • 西蒲区
    • 西区
    • 東区
    • 南区
  • 休日・夜間に病気になったら急患診療センター
  • カラダのこと考えてますか?病気と健康のあれこれ
  • 医師会について
  • 市民の皆様へ
  • 医療関係者の皆様へ
  • 会員の皆様へ
  • 入会申込

新潟市医師会報より

新潟市医師会

『あの本、読みました?』

横田 さおり

『あの本、読みました?』という番組を知っていますか?毎週木曜日にBSテレ東で放送中の書評番組です。ナビゲーターは鈴木保奈美さんとアナウンサーの角谷暁子さん。毎回、1、2個のテーマをもとに、作家をはじめ、出版社や書店員、テーマに沿った関係者の方々をゲストに、色々な切り口から本を紹介してくれます。編集者目線の裏話など、興味深い内容が沢山あり、全く注目していなかった本を知り、読むきっかけにもなります。面白かった回をいくつかご紹介します。

1)祝!本屋大賞『成瀬は天下を…』秘話
2024年本屋大賞を取った『成瀬は天下を取りにいく』の編集者からの制作裏話と、聖地巡礼の回です。この本は、読んですぐに面白い!清々しい!我が道をいく成瀬かっこいい!と成瀬ファンにさせてくれた1冊でした。主人公は、周りからはちょっと変わっていると思われている中学2年生の成瀬あかり。成瀬を中心に滋賀県膳所で起こる様々な出来事を綴った短編集です。著者の宮島さんは、読書好きで小学生から小説を書き、大学卒業後は公務員として働きながら書いていたそうです。ところが24歳頃、三浦しをんさんの『風が強く吹いている』に衝撃を受け、自分の力不足を感じ、書くことを一時やめました。結婚出産を経て、ライターとして活動していましたが、森見登美彦さんの『夜行』を読み、再び創作意欲が湧いてきて、創作活動を再開したそうです。そして2021年R-18文学賞を受賞したのが、この本の1話目「ありがとう西武大津店」です。物語に出てきた数々の舞台は実在し、番組では小説家でアイドルの宮田愛萌さんが聖地巡礼しています。これは、是非読んでみて欲しい1冊です。そして膳所に行ったらミシガンクルーズは外せません!

2)本の顔を作る装丁家ってどんな仕事?
本を作るに際し、装丁家の仕事は、本文以外のほとんどを決めていることを知りました。ベストセラーの『火花』を始め、1000冊以上の文芸書の装丁に携わった装丁家の大久保明子さんが、どうやって装丁が決まっていくか解説しています。カバー、帯、表紙、見返し、化粧扉、しおり、花ぎれなど、知らない呼び名もありました。カバーとなる装丁画は、一から作るものもありますが、既存している絵画や作品から選ばれることも多いとのことです。『火花』の装丁画は100号もの大きな油画です。大久保さんがいくつか選んだ中から、作家の又吉さんと選定し、タイトルとのバランスなど決めていったそうです。

3)出版社の最終門番、校閲って何するの?
校正は主に誤字脱字や文法の間違いなどを正しますが、校閲は内容に踏み込み、時代考証や物語の進行に齟齬がないか、文章の中の情報に間違いがないかを精査しています。番組内で校閲した1例をあげてみます。
[1999年の夏に妻と初めて知り合った私は、翌年21世紀最初の年の猫の日に早くも求婚していた。二人して新幹線に乗り、妻の実家のある金沢駅に向かう。車窓からは下弦の月が見えた。]どこが問題となるでしょうか。
①1999年の翌年は→2000年
×21世紀最初の年 ○20世紀最後の年
②新幹線→2000年はまだ金沢まで開通していない
③下弦の月→下弦の月は真夜中に出るので、新幹線の走るような時間帯は出ていない。

校閲は本当に細かいところまで調べると編集者もびっくりしていました。小説『星を編む』では、男女がどん兵衛のきつねうどんと天ぷらそばを食べるシーンがあります。[他愛無い話をしながら5分待った]という記述に校閲から、きつねうどんは5分だが天そばは3分との指摘が入り、[5分待った]という記述が[出来上がりを待った]に変わったそうです。

テーマは色々ありますが、音楽やお酒、医師作家が書いた医療小説の回もありました。ヒット作の帯の秘密、文庫化される本とそのきっかけ、色々なランキング。東大・京大の生協、麻布台ヒルズ、書店のある場所の特色によってランキングが変わってくるのも面白かったです。

よく書店に通う人からあまり本を読まない人も、新たな1冊を手に取りたくなり、すでに読んだ本の裏話なども楽しめる番組です。

放映中の木曜BSテレ東22時を楽しみにしてもいいですし、Amazon Prime VideoやU-NEXTでは過去放送分も見ることができます。

バックナンバーをいくつか掲載します。
*祝!本屋大賞『成瀬は天下を…』秘話
*校閲さんの職人技&高校生直木賞
*東野圭吾、森博嗣、伊与原新…理系作家の魅力
*本と音楽!太宰治とオフコース、朝井リョウと宇多田、椎名林檎
*「本と東大」東大生が一番読んでいる本&東大卒作家・小川哲
*医師作家が書いた医療小説SP『神様のカルテ』夏川草介
*俵万智VS東大医学部生YouTuber歌人、短歌の魅力、装丁家のこだわりを紹介!
*真夏のホラー特集!&辻村深月SP
*小説に出てくる東京タワー
*中学入試に出題された作品ランキング!
*2024年度売上ランキング、ヒットの理由
*『百年の孤独』読み方を小川哲が解説
*「読書」と「走る」の意外な共通点
*今夜は辻村深月スペシャル
(辻村作品ポジショニングマップ、必見!)

『成瀬は天下を取りにいく』

著者 宮島未奈
出版 新潮社
定価 1,705円(税込)
発売日 2023/03/17

『成瀬は信じた道をいく』

著者 宮島未奈
出版 新潮社
定価 1,760円(税込)
発売日 2024/01/24
BSテレ東 木曜 夜10時
TVer(見逃し配信)、U-NEXT・Amazon Prime Video(過去放送分もあり)
  • < 『黄金と十字架─佐渡に渡った切支丹』
  • 『夜明けのすべて』 >
新潟市医師会報より
新潟市の素描画
  • 2025年度作品一覧
  • 2024年度作品一覧
  • 2023年度作品一覧
  • 2022年度作品一覧
  • 2021年度作品一覧
  • 2020年度作品一覧
  • 2019年度作品一覧
  • 2018年度作品一覧
  • 2017年度作品一覧
  • 2016年度作品一覧
  • 2015年度作品一覧
  • 2014年度作品一覧
  • 2013年度作品一覧
  • 2012年度作品一覧
  • 2011年度作品一覧
  • 2010年度作品一覧
  • 2009年度作品一覧
  • 2008年度作品一覧
  • 2007年度作品一覧
  • 2006年度作品一覧
  • 2005年度作品一覧
巻頭言
学術
特集
病気と健康のあれこれ
寄稿
開院の自己紹介
わたしの好きな店
マイライブラリィ
私の憩いのひととき
旭町キャンパスめぐり
病院だより
勤務医ツイート
Doctor's Café
理事のひとこと
新潟市一次救急医療施設の利用状況
あとがき
  • トップページへ
  • ホームページTOPへ戻る
  • このページの先頭へ
新潟市医師会事務局
〒950-0914 新潟市中央区紫竹山3丁目3番11号
TEL : 025-240-4131 FAX : 025-240-6760e-mail : niigatashi@niigata.med.or.jp
  • ご利用にあたって
  • プライバシーポリシー
  • サイトマップ
  • リンク
  • お問合せ
©2013 Medical Association of Niigata City.