新潟市医師会勤務医委員会 副委員長
新潟臨港病院 内科
窪田 智之
2021年は、西洋占星術では「風の時代」の始まりの年と言われているそうです。私もそういった趣味はないので、詳細は理解不能ですが、「土の時代」から「風の時代」に切り替わる年なのだそうです。
これまでの「土の時代」の象徴は物や形あるもの、経済などであり、人はみな「所有」することを求めた時代だったというのです。約200年前の「土の時代」の始まりに起きたのが産業革命で、現代の大量生産・大量消費の世界に行きついたのです。きたる「風の時代」は、情報や知識など形のないもの、伝達や教育などが重視され、人々は何より「知る」ことを求めていくことになると言われています。『YouTube』もその象徴でしょうか。
これからの時代は、「持つ」ことから「知る」ことを重視するように世の中の価値観が大きく変わるという時代の曲がり角なのだそうです。そして「風の時代」は出世や金銭的な報酬よりも、やりがいや興味関心を重視する時代(世代)になっていくのでしょう。
実際、新型コロナ感染症による社会や医療の変化は「風の時代」の到来を予感していたかのような出来事であり、さまざまなシェアリングが次々と登場しています。住む場所、働く場所に縛られなくなったことで話題のワーケーション、地方移住などの潮流があり、我々の周りで言えば「学会」も「講演会」もオンライン(現地とのハイブリッド)開催で行われ、どちらを選ぶも自由で、まさに「風の時代」を感じさせるものです。
西洋占星術的に、2021年に象徴されるキーワードは「連帯・自由・平等・友人」といった“横のつながり”を連想させるものです。“縦社会”から“横社会”へ。すべてをフラットな視点で見る時代であり、価値観も多様化し、個人個人が自分なりの検証、吟味をして、自分にとって価値あるものを選択する時代になります。知・コミュニケーション・個人などが重視される風の時代に生きているということを意識することで、自分にも新しいワクワクするような「風」が吹くかもしれません(図1)。
2020年度から始まっている『新潟県医師確保計画』から都道府県別医師偏在指標を改めて載せました(図2)。ご存知の通りですが、国が示した医師偏在指標の本県の全国順位は47位(最下位)となり、医師少数県に位置づけられています。なお、本県の医師数は全国順位で18位(2018年末)ですが、人口における全国順位が15位(2018年10月1日現在人口推計)の規模なことも下位に位置づけられた要因の一つとなっているようです。二次医療圏で言えば新潟市は、恵まれてはいるものの、県庁所在地のある都市の中ではかなり下位です。こういった環境のなかで、これまで以上にオール新潟で“横のつながり”や“横社会”を支えていくことが、『風の時代』の幸せな働き方につながると信じております。また、医師を支えてくれている医師事務作業補助者の教育体制も含めて、少しずつ活動を進めて参りますので、余裕があり、このオカルト的なツイートに共感をいただける方はご協力のほどよろしくお願いいたします。今後ともよろしくお願いいたします。
図1 価値観の変化
図2 都道府県別医師偏在指標(新潟県医師確保計画 第3章より抜粋)
(令和3年4月号)