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新潟市医師会報より

新潟市医師会

病気を経験して思ったこと

新潟市医師会 勤務医委員会委員 厚生連豊栄病院 内科 小林 真

先日、急な入院となり、仕事をお休みしました。ここ10年近く、勤務先の職場検診・人間ドックは毎年受診し、いわゆる生活習慣病の類いも含め、とりたてて異常もありませんでした。

ある朝、6時頃目覚めると、胸の重苦しさを感じました。前からたまーに痛いこともあったが、とは思ったものの、持続時間が長く、次第に左腕も重い感じがしてきました。20分過ぎても改善がなく、ただ事ではない様子なので、妻を起こし、状況を説明、勤務先の病院に行くことにしました。その日は当直の予定だったので、一応、当直の準備を携えていきました。妻の運転する車中で、徐々に症状が軽減してきたため、“症状がない状況で検査をしても異常がでないかもしれないな”と考えました。7時15分頃勤務先に到着したころは、ほぼ症状はなくなっていました。心電図を行ってみましたが、以前に比べ、あきらかな変化はないように見えました。症状もさほどではなくなっていたため、妻には帰宅してもらい、病棟患者の回診を始めました。ただ、一応、と思い、血液検査をすることにしました。しばらくして、検査結果をみると、トロポニンが異常値を呈していました。そのため、慌てて心電図を再検、すると、明らかにおかしい心室波形の連続が出現していました。この時点ですでに症状はなかったのですが、さすがに危険を感じ、ちょうど、大学循環器内科からの出張の先生の来院日だったのでその先生に相談、「心カテができる病院へ」、とのことで、大学病院に紹介していただき、即座に救急搬送となりました。その日は、午前は胃カメラの業務、午後は内視鏡治療、夜は当直の予定でしたが、それを何とかする余裕はありませんでした。

大学に到着すると、ほぼ心筋梗塞だろう、との予想で心カテをする話が進み、「場合によってはステントを留置するかも」、と説明をうけ、心カテをする前から抗血小板剤を内服しました。すでに胸部症状はなかったので準備をされながら、今日の仕事、どうなったんだろう、とか、当直は誰が代わってくれるのかな、とか、明日からの外来や検査とか、誰がやるんだろう、入院患者は、とりあえず、朝回診しておいてよかったな、とか、そもそもどのくらい入院になるのだろう、などといろいろ頭をよぎりました。また、心臓の状態によっては、今後の仕事に支障が出るのだろうか、とか、今までと同じように働けるのか、とか、いろいろ考えを巡らせました。

その後、心カテが行われ、結果的には末梢の方の心筋梗塞だったとの診断で、ステント留置などはなく、造影のみで終了しました。心筋梗塞の原因も、後になっての精査の結果、冠動脈の解離と診断されました。心カテ終了後は、大腿の動静脈にカテーテルシースが入った状態で安静臥床となり、ICUに入室しました。新型コロナ問題もあり、家族も含め職場等、外部との連絡も取れず、仕事はどうなっているのだろう、ということばかり、考えていました。翌朝 大学消化器内科の寺井崇二教授ら教室の3人の先生が、ICUに訪室して下さり、休みの間、補充の先生を派遣して下さると伺い、大変ありがたく思いました。3日後にICUから一般病棟にうつり、携帯電話の使用が可能になり、病院に電話し、業務の状況を聞きました。「院内の先生で、入院患者、外来・検査など、割り振ってやっていただいている」、と聞き、大変申し訳ない思いでした。その後、3週間余りの入院・経過観察を要しました。

病状が落ち着いた後、心臓リハビリが始まりました。最初は室内での軽い運動から始まり、徐々に室外歩行を行うようになりました。リハビリの先生が、モニターで脈を監視しながら、病棟を周回したりしました。最初は思っていた以上に疲れ、体力の低下を実感しました。また、脈の上下をチェックされているので、脈が速くなることが気になってしょうがないようになりました。病棟内自由行動になったあと、なるべく体力を早く戻そう、と、病棟の廊下を周回して歩いたり、脚力が戻るように運動したりしましたが、以前に比べすぐに疲れたり、胸に違和感を感じ、気になってしょうがないような状況がしばらく続きました。モニターで異常が出ないようなので、気にしすぎなのだろう、とは思いました。退院近くになって階段の上り下りもしましたが、あからさまに疲れてしまいました。タカをくくっていましたが、リハビリも重要であることを痛感しました。退院後は、念のために、と思い、1週間ほどの自宅療養期間を頂き、自宅リハビリや体力増強を行ってから、職場復帰することができました。

仕事を始めると、ありがたいことに、周囲の皆様に、「働き過ぎなんだよ」とか、「無理をしないでね」、などと言っていただきました。ご高齢の患者様にもそのように言われてしまい、困ってしまいました。

そこまでたくさん働いたとも思っておりませんし、働き過ぎでこうなった、とは思いたくはないのですが、心臓の病気になったので、確かに無理はできないだろう、とは思いました。が、無理の程度がわからず、結局、今までと同じように仕事をするようになりつつあります。外来の患者数を減らすのは容易ではなく、時間制限を設けられるわけでもなく、入院患者の上限を決められるわけでもなく、必要な処置・業務を先延ばしにできるわけでもありませんので、仕事量を減らしたり、セーブすることはなかなか難しいと考えます。他の先生方にお願いしてしまったら、その人が過重労働になってしまいますし。

まさに、自分の体のために(再度の病気入院は周囲に迷惑をかけることにもなりますし)、“働き方改革”をしなければならないのだろう、とは考えながらも、そう簡単にはいかないな、と思いながら、仕事に取り組んでいる毎日です。

(令和4年1月号)

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