新潟市医師会 勤務医委員会委員
亀田第一病院 消化器内視鏡センター長 渡邉 東
皆様こんにちは、平素より大変お世話になっております。医療法人愛仁会、亀田第一病院の渡邉東でございます。2017年4月より消化器内科医として勤務しております。この度は当院の歴史について書かせて頂こうと思います。
1967年、旧亀田町郊外の田んぼの中に36床の2階建ての病院(医療法人愛仁会 渡辺病院)として診療を開始しました。当時の写真を見ると本当に周りには田んぼしかありませんでした。診療科は、内科、外科、産婦人科、小児科、眼科の5科で常勤医は外科医1人、産婦人科医1人しかおらず、新潟大学大学院医歯学総合研究科(以下「新潟大学」)の助勤の先生方に助けて頂きながら診療しておりました。その後、1973年2期工事で108床、1981年3期、4期工事で117床へ増床しました。当時、私は小学生でしたが、玄関で靴を脱ぎスリッパへ履き替えてから院内に入っていた事を記憶しております。
1982年、病院の名称を渡辺病院から亀田第一病院へと改称し、1991年、開設後24年目に全面増改築を行い現在の197床の病院が出来上がりました。一般病床が156床、地域包括ケア病床が41床です。また附属施設として136床の介護老人保健施設「亀田園」、ふれあい歯科クリニック等がございます。
診療科は消化器内科、呼吸器内科、循環器内科、外科、産婦人科、整形外科、脊椎外科、股関節外科、脳神経外科、麻酔科、泌尿器科、リハビリテーション科ですが、新潟大学を中心に、助勤の先生方の応援を頂き、形成外科、脳神経内科、皮膚科、内分泌代謝内科、小児科(新生児、乳児期のみ)など、幅広く患者さんのニーズに対応出来る体制を取っております。
2017年、私は埼玉県上尾市(大宮の近く)にある上尾中央総合病院から当院へ赴任してまいりました。赴任と同時に新潟大学、消化器内科学分野の寺井崇二教授の同門会へ入門させて頂きました。当時、内視鏡件数は少なかったですが、助勤の先生方、医局より派遣して頂いている先生方と一緒に頑張ってきた結果、徐々に内視鏡検査数も増えてゆき、2020年9月4日当院に消化器内視鏡センター開設に至りました。同年10月29日には寺井崇二教授より開設記念特別講演(演題:肝疾患に対する再生医療)を賜りました。上部、下部内視鏡のための検査室が2部屋、透視室が1部屋あります。また、リカバリールームも完備していますので、鎮静下内視鏡も積極的に行っております。ERCP(内視鏡的膵胆管造影検査)、胃がん、食道がん、大腸がんなどに対するESD(内視鏡手術)も増えてきました。2016年度の内視鏡総件数は約1200件程度でしたが、昨年度は約2200件となり、増加を続けております。2022年からは胆道鏡(スパイグラスDS胆管-膵管鏡システム)を完備し総胆管結石の難治症例にも対応出来るようになりました。内視鏡件数の増加に伴い外科手術件数も増加し、2016年度は年間約200件でしたが2022年度は年間約350件までになりました。
2022年、創立55年を迎え、亀田第一病院・創立55周年記念時別講演会を開催する事が出来ました。2022年7月28日、新潟大学、消化器外科学分野の若井俊文教授より特別講演(演題:新潟市医療圏における新たな医療ニーズ・機能分化と病病連携)を賜りました。また、2023年3月10日、新潟大学、整形外科学分野の川島寛之教授より特別講演(演題:骨肉腫診療の歴史と変遷)を賜りました。
当院は2023年4月1日付けで院長が交代し、大矢聡院長のもと新体制がスタートしました。新しいメンバーも増え、当院全体が躍動しております。2022年から産婦人科医師1人、今年から脊椎外科に常勤医師1人、外科に常勤医師1人が当院のメンバーに加わって頂きました。新潟大学各科と密な連携をとりながら、そして各科先生方のお力添えを頂きながら少しでも地域住民の皆様、新潟市の皆様のお力になる事が出来たら最高です。