野本真由美スキンケアクリニック 野本真由美
ニキビは、皮脂の分泌が多いことと毛穴の出口が詰まることで始まります。毛穴の出口に皮脂がたまるとそれを餌にアクネ菌が増殖し、赤いニキビができるようになります。12個の赤いニキビができると、そのうちの1つは治すことが難しい痕(あと)になってしまうことがわかっています。
ニキビ治療のゴールは、痕(あと)を残さないことです。そのためには、①できるだけ早くから治療を行うこと、②よい状態を維持できるように治療を継続すること、の2つがとても大切です。
ニキビは10代では額から頬を中心に、成人後は顔の下半分にできやすくなります。
また、10代にはニキビがなくても、成人して初めてニキビができる人もいます。成人後にニキビに悩む方は、生活の不規則やストレス、不適切なスキンケアなどが悪化因子になります。ニキビは体からのサインのひとつと考えて、生活やスキンケアを見直してみましょう。
つぎに皮膚科の治療をご紹介します。毛穴の出口の詰まりを改善し、アクネ菌を殺菌する過酸化ベンゾイルを主成分とした塗り薬を中心に使います。さらに、毛穴の詰まりをより改善させるアダパレンや、アクネ菌をより減少させる抗菌剤の外用を併用することがあります。使い始めは皮膚がひりひりしたり、赤くなったりすることがありますが、次第に落ちついてきますので指導を受けましょう。痛みを伴うような腫れたニキビができたときは抗生物質を内服します。これらの治療を行ってもニキビを繰り返すときは、体質改善として、漢方薬を併用することがあります。皮脂の分泌を抑制するもの、月経前に悪化する症状に有効なもの、ニキビがしこりになって残りやすい時に有効なもの、乾燥やかゆみを伴うニキビに適したものなどがあります。体質によって選ぶ漢方薬が変わりますので、ご相談ください。
ニキビがたくさんできると気持ちがふさぎ込んでしまうので、油分の少ないパウダーメイクであればメイクをしても構いません。特にアイメイク、チーク、口紅などのポイントメイクをすることで、ニキビは目だちにくくなります。症状を気にせずに、ハッピーな1日を過ごせるお手伝いができればと思います。
(2019.12.24)