しむら皮膚科クリニック
志村 英樹
アザはある程度の広さを持った赤や青や茶や黒い皮膚の色素斑で、通常は生まれつきか生後間もなく生じてきます。
赤アザには代表的なものとして、乳児血管腫、毛細血管奇形があります。乳児血管腫は生後1ヶ月くらいしてから生じ、イチゴのように隆起してくるのでいちご状血管腫とも呼ばれます。小学生になるまでには自然に消えるのですが皮膚にたるみが残ったりするので今はレーザーや内服薬で積極的に治療するようになってきています。毛細血管奇形は単純性血管腫とも呼ばれ、生まれたときから存在する平らな赤いアザで自然に消えないのでレーザーで治療しますが完全に消えないことも少なくありません。
青アザには代表的なものとして、蒙古斑、太田母斑があります。お尻の割れ目に生じた蒙古斑は自然に薄くなりますが、他の場所に生じた蒙古斑(異所性蒙古斑)で濃いものは自然消退しないのでレーザーで治療します。太田母斑は片方のおでこから目の周囲に生じる青アザでレーザーで治療します。どちらのアザもレーザーによく反応し、かなり綺麗に消えます。
茶アザには代表的なものとして、扁平母斑があります。扁平母斑は茶色い平らなアザでレーザーで綺麗に消える確率は10%~20%くらいです。レーザー以外の方法ですと皮膚を削ったりヤケドさせて取る方法がありますが痕がのこります。
黒アザは母斑細胞母斑のうち、ある程度の面積をもったものをいいます。いわゆるホクロも母斑細胞母斑に含まれます。レーザーで治療することもありますが治療を繰り返してもなかなか消えないことが多いです。レーザーで消えない場合は切除を計画しますが、その面積の大きさから何度もの手術が必要になることが少なくありません。
生まれつきのアザは、本人やご家族にとって精神的な負担となることがあります。上記のように色々な治療法がありますから、一人で悩まず、皮膚科・形成外科で相談してみてください。
(2023.12.27)