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疥癬(かいせん)

のぶ皮膚科
佐藤 信之

疥癬とはヒゼンダニという大変小さなダニが人の皮膚に寄生しておこる、かゆみを伴う皮膚の病気です。いわゆる「イエダニ」とは種類が違います。手首や手のひら、指の間、わきの下などに横穴を堀って卵を産みつけ成虫になります。体中にばらまいたような赤いブツブツが出てとても強いかゆみを伴います。手の指の間に線状の皮むけ(疥癬トンネル)、脇の下、陰嚢にしこり(結節)がでるのも特徴の一つです。老健・介護施設に入所、勤務している方にみられることが多いですが、キャンプや集団生活でざこ寝をした人からヒゼンダニが見つかることもあります。感染した方とある程度の時間、肌と肌が接触することで感染します。また患者さんが使用した寝具や衣類を洗濯せずに他の人が使用することでうつることもあります。

この病気には通常疥癬と角化型疥癬と呼ばれる2つの病型があります。同じヒゼンダニですが通常疥癬で寄生する数は数十匹以下に対し、黄白色でざらざらとしたカキガラのような構造が手足、お尻、肘、膝などにみられる角化型疥癬では百万匹以上であり他の人に感染する力がとても強く、短時間の接触や剥がれ落ちたアカ(角質)からも感染しますので注意が必要です。

診断はピンセットなどを使って症状のある皮膚の一部をとって顕微鏡でヒゼンダニや卵を確認します。ただし疥癬トンネルや陰嚢・脇の下の結節以外の体のブツブツからの検出率は少ないです。また、ダーモスコープという拡大鏡を使って疥癬トンネルをのぞくとヒゼンダニを見つけることもあります。

治療はヒゼンダニを殺すことを目的とした飲み薬(イベルメクチン)や、塗り薬(フェノトリンローション)が使われます。湿疹に対しての治療薬であるステロイド外用剤はかえって症状を悪化させます。また、痒みに対しては痒み止めの内服薬を用います。通常は2週間から4週間ほど治療すると症状は軽快します。

(令和7年12月号)

(2025.12.24)

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