山の下クリニック 阿部 行宏
どこで自分はなくなりたいのか?と聞かれ、「自宅」とお答えいただく方が多いというアンケート結果があります。ではどうしたらそうできるでしょうか?「自分の家で死にたい」ということは「自分の家で最後まで生活したい」ということにもなります。
どんなに頑張っても最後はだれもが死を迎えます。どう迎えるか?はどんな病気になるかによっても変わってきますので誰でも最後は自宅というわけにはいかないかもしれません。しかし、できるだけ「自宅」を選択することは可能でしょう。病院もしくは診療所に通院できるうちは外来での医療を継続していき、状態が悪くなって通院困難となった場合には訪問診療という手段があります。病院への入院とはどう違うのでしょうか?
病院では、基本的に集団での生活となり、規則があります。食事の時間や検温の時間など決まっていますよね。お酒やたばこは無理ですね。しかし、決まりがある代わりに医師、看護師はそばにいてすぐに来てくれる安心感はあります。在宅では自由です。お酒、たばこ、ペットとのふれあいもそうですし、食事も好きに食べられます。しかし、近くには医師や看護師はいません。大きな違いはここです。その自宅に医師や看護師が訪問して診察、治療、検査、看護を行います。また、医療だけでなく何らかの介護も必要です。介護サービスに関してはそれを取りまとめるケアマネジャーがいます。そして、新潟市には医療介護に関わる事業者同士がインターネットで情報共有する「SWANネット」というシステムがあり、迅速に情報共有し対応が早くなります。
訪問診療については、すべての開業医が行っているわけではありません。まずは、かかりつけ医にご相談ください。もしお困りの際にはケアマネジャーに相談してみるのもよいかと思います。
(2023.05.29)