
新潟糖尿病クリニック
鈴木 克典
「甘いものを食べ過ぎたから糖尿病になったのでは?」とよく聞かれます。確かに甘いお菓子や清涼飲料水を多く摂れば血糖は上がりやすくなりますが、ご飯やパン、麺類などの炭水化物も体の中ではブドウ糖に変わり、血糖が上がります。つまり「甘いものだけ」が血糖を上昇させるわけではありません。
糖尿病は単純に“血糖を上げるもの(甘いものや炭水化物)の摂り過ぎ”だけが原因で起こる病気ではありません。
最も多い2型糖尿病は、体質(遺伝的ななりやすさ)に加えて、食べ過ぎや運動不足、加齢などが重なって起こります。
糖尿病になりやすい体質とは、大きく分けて「インスリンが出にくい体質」と「インスリンが効きにくい体質(インスリン抵抗性)」の2つがあります。
① インスリンが出にくい体質
特に日本人に多いタイプです。膵臓のβ細胞の働きが弱く、もともと分泌できるインスリン量が少ない傾向があります。家族に糖尿病の人がいる場合は、この体質を受け継いでいる可能性があります。
② インスリンが効きにくい体質
内臓脂肪が多い、運動不足、筋肉量が少ないなどの背景があります。インスリンが効きにくいため、血糖を下げるために多くのインスリンが必要になりますが、やがて膵臓が疲れてしまい発症します。いわゆるメタボ体型の方に多いタイプです。
その他にも、出生体重が低い、妊娠糖尿病の既往のあること、なども体質としてあげられます。
体質があっても、体重管理・定期的な運動・バランスのよい食事で糖尿病の発症リスクは十分に下げられます。体質はスタート地点。未来は生活習慣で変えられます。
糖尿病は生活習慣の積み重ねと体質が影響する病気です。「甘いもの=原因」と単純に考えるのでなく、正しく理解し、できることから整えていくことが予防と治療の第一歩です。
(令和8年5月号)
(2026.05.27)