
はやみ整形外科クリニック
速水 正
「最近、膝の内側が痛くて…」
年齢を問わず、このような悩みを抱える方は少なくありません。膝は私たちの体を支え、歩行や運動に欠かせない重要な関節です。それだけに生活の中で大きな負担がかかり、痛みを起こしやすい部位でもあります。特に内側の痛みは、その原因が多岐にわたり、放置すると慢性化するケースも少なくありません。ここでは、膝の内側に痛みが生じる代表的なものをいくつか挙げてみましょう。
変形性膝関節症:軟骨がすり減ることで、骨同士が直接ぶつかり合い、炎症や痛みを引き起こす病気です。特に内側の軟骨がすり減りやすいため、内側に痛みを感じることが多くなります。加齢が主な原因ですが、女性に多く、肥満やO脚もリスクを高めます。60歳以上の方の4割がこの疾患であり、整形外科外来受診患者さんで最も多い膝痛の原因となります。
内側半月板損傷:膝関節のクッションである半月板は、加齢による変性や、スポーツなどでの急なひねり動作によって損傷することがあります。痛みだけでなく、膝の曲げ伸ばしに引っかかりを感じたり、ロッキング(動かなくなる)現象が起きることもあります。
鵞足(がそく)炎:膝の内側、やや下に「鵞足」と呼ばれる、いくつかの腱が集まる部分があります。ランニングやジャンプなど、膝の曲げ伸ばしを繰り返すことで、この部分に炎症、痛みが生じます。特に運動を習慣にしている方や、変形性膝関節症の方にみられます。
内側側副靭帯損傷:膝内側にある内側側副靭帯は、膝を安定させる靭帯で、外側からの強い衝撃や、膝をひねることで損傷し、痛みや腫れ、不安定感を引き起こします。
膝の内側の痛みは、放置すると慢性化したり、他の部位に影響を及ぼしたりすることもあります。長引く場合は整形外科外来を受診し担当医に相談しましょう。
日頃から膝に優しい生活を心がけ、適切なケアを受けることで、「自分のあしで歩ける」健康な膝を保ちましょう。
(令和8年1月号)
(2026.01.29)