
菜の花こどもクリニック
小松原 孝夫
熱性けいれんは、発熱に伴って起こるけいれんで、日本では子どもの約5~10%が一度は経験するといわれています。多くは数分以内に自然に治まり、後遺症を残すことはほとんどありません。初めて見ると驚かれると思いますが、まずは落ち着いて対応することが大切です。
発作が起きたときは、以下の点を意識してください。
◦お子さんを安全な場所に寝かせ、体を横向きにして吐物で窒息しないようにする
◦口に物を入れない
◦揺さぶったり、無理に押さえつけたりしない
◦発作の時間を確認する
多くの発作は5分以内に自然に止まりますが、次のような場合は救急車を呼ぶ目安になります。
◦けいれんが5分以上続く
◦けいれんを何度も繰り返す
◦発作後も意識がはっきり戻らない
◦呼吸が苦しそう、顔色が悪い
◦生後6か月未満、または初めてで不安が強い
一度熱性けいれんを起こしたお子さんの再発率は約30%で、1歳未満での発症、家族に熱性けいれんの既往がある場合、発熱してすぐにけいれんが起きた場合などは再発しやすいとされています。ただし、繰り返しても知能や発達に影響することは通常ありません。
かぜ薬と一緒に処方されることのあるアレルギー薬(抗ヒスタミン薬)を内服していると発作が長引く可能性がありますので、発熱しているお子さんの内服は避けてください。すぐに治まる発作であれば、一律に脳波検査を行う必要性はありません。発作の持続時間が長い場合や、繰り返す場合には、発熱時の発作予防として痙攣止めの座薬が処方されることがありますので、かかりつけ医とよく相談してみてください。
熱性けいれんは怖く見えますが、多くは良性で適切に対応すれば心配のいらないものです。ご家庭での対応を知っておくことで、いざというときに落ち着いて行動できます。必要なときは医療機関がしっかりサポートしますので、気になることがあれば遠慮なく相談してください。
(令和8年4月号)
(2026.04.28)