寺島 哲郎
(てらしま外科内科クリニック)
日本人の3人にひとりが患者であるといわれている病気が「痔」です。大きく分けて「痔核」「裂肛」「痔ろう」があります。痔核は肛門にいぼ状の腫れができた状態のことで、最も多いタイプです。直腸と肛門の皮膚部分との境目である歯状線より上にできる内痔核と、歯状線より下の肛門上皮にできる外痔核があります。裂肛(きれ痔)は歯状線より下にある肛門上皮が切れた状態のことです。痛みが強く治りにくいため、悪化しやすいといわれています。痔ろう(あな痔)は細菌の感染によって肛門内が化膿し、肛門の内と外がトンネルでつながったものです。
痔の主な原因は、便秘や下痢などで肛門に大きな負担がかかることです。ここで痔の予防法をいくつかご紹介しましょう。
● 便意があったら我慢せずにトイレに行く
● 無理に出し切ろうとせず、排便は5分以内で便通に良い生活を心がける
● 便通を整えるために食物繊維や水分を摂る
● お風呂に入って血行をよくする
● 下痢を防ぐためにアルコール類、香辛料などはひかえる
● 腸の働きをよくするために適度な運動をする
● 便秘の原因になる無理なダイエットはしない
● 長時間、同じ姿勢をとり続けない
● 過労やストレスを避ける
● 身体を冷やさない
いかがでしたか。痔の発症には、普段の生活習慣が大きく関わっているといえます。気になる症状がございましたらお気軽にご相談下さい。
(2018.09.28)