済生会新潟病院 小川 洋
ラーメンや天ぷら、とんかつ、ステーキなど脂っこい食事を食べた後の胃の痛み。それは胆石発作かもしれません。
胆石は胆汁という消化液に含まれる成分が結晶化し、胆道内で固まったもの。尿管結石とはちがう病気です。固まる成分により「コレステロール石」と「色素石」に分かれますが、日本人ではコレステロール石がおよそ80%を占めます。また、胆石ができる場所により「胆嚢結石」、「胆管結石」、「肝内結石」に分けられます。食生活の変化により胆石症は年々増えており、今10人中1人は胆石をもっているといわれています。昔は太った中年が多かったのですが、今は痩せている若い人でも「胆石持ち」が増えているので、注意が必要です。
胆石発作は右肋骨の下やみぞおちの痛みが食後に起きます。しばらくすると良くなることが多く、「胃の痛み」と思い我慢してしまう人もいるのです。重症になると熱や寒気が出て、黄疸といってからだが黄色くなり尿の色が濃くなることがあります。
胆石発作を繰りかえす場合、手術して胆石ごと胆嚢摘出する必要があります。胆石だけ取っても石はまたできるからです。胆管結石であれば、まずは内科で内視鏡的結石除去が必要ですが、胆管結石の多くは胆嚢から胆管へ落ちた石であるため、完全に治すには外科で腹腔鏡下胆嚢摘出術してもらうのがよいでしょう。
「胃の痛み」が気になる方は受診をお勧めします。
(2022.08.24)