ないとう泌尿器科クリニック 内藤 雅晃
おねしょは6歳未満の子どもにあっても必ずしも病気とはいえません。ただし6歳(就学時)になっても月に数回以上ある場合は医療機関を受診し、適切な診断や治療を受けることによって2~3倍治る率が高くなると言われています。ただし小学校低学年では約15%に、高学年では約10%におねしょがあると言われています。
おねしょの原因はいろいろあげられます。例えば眠りの深さもありますが、診察室では尿量に注目します。大きく分けると、(1)夜間眠っている間の尿量が多い(=夜間多尿型)(2)膀胱が小さい 夜間尿量は通常だがうまく溜められない(=膀胱型)(3)混合型(どちらもある)に分けられます。これを見分けるには排尿日誌をお願いしています。昼間のトイレに行った時間と排尿量、夜間尿量(オムツの濡れた尿量+朝一の尿量)を記録してもらいます。これによる夜尿タイプが分かります。
おねしょの生活改善のポイントは規則正しい生活をする(夜更かしはおねしょを悪化させます)、水分の取り方に注意する、便秘に注意する、寝る前にトイレに行く(意外に寝る前にトイレに行かないお子さんがおられます)などです。
治療としては、○夜間多尿型には尿をひきしめ尿量を減らす薬、○膀胱型には膀胱をリラックスして尿を十分溜められる薬、○アラーム療法など相談して行います。
修学旅行やスポーツの合宿時は引率の先生やコーチにしっかりとお話しするのが大事です。
いずれにしてもおねしょはありふれた子どもの症状で、性格やしつけとは関係がありません。おねしょがあることで子どもが卑屈に思わせないこと、親御さん自身が自分のせいだと責めないでください。生活習慣や治療によりおねしょが少しでも良くなったら子どもさんをしっかり褒めてあげることが一番の治療です。おねしょ外来はそのサポートになれればと思います。気になれば医療機関に相談してください。
(2019.11.29)