ささがわ腎泌尿器科クリニック 笹川 亨
尿の泡立ちの原因は色々ありますが、運動の直後や夏の暑い日で大量の汗が出た後の、あるいは朝起きて1回目の尿は色が濃くなり、泡立ちが強くなることもあります。
また尿の勢いが強い場合や便器の状態によっても泡立ちが目立つこともあります。
しかし、この泡はすぐに消えることが多く、決して病気ではありません。
泡を立てやすくする、界面活性物質のウロビリノーゲンという物質が正常尿でも微量に含まれています。尿が濃くなるとこのウロビリノーゲンの濃度が濃くなるため泡立ちやすくなりますので、“尿の泡立ちが全て病気“というわけではないのです。
ただ、排尿後いつまでたっても細かな泡が消えない場合などは、病気が隠れていることもあります。
腎臓に病気があって、蛋白がたくさん出ている状態の時などがその代表です。
その他に、尿中の糖が多くなる糖尿病や、血液の病気の一部でも蛋白が排出されることがあり泡立ちの原因になります。
また、尿にオナラのようなガスが混ざって出てくるなどという特殊な病気もあります。
いずれにせよ、病気が原因なのか、正常な範囲のものなのかは尿の検査をすれば大体わかります。実際に尿を調べて病気が隠れていることは非常に少ないのですが、季節や運動とは関係なく尿の泡立ちが続いたり心配な場合は、かかりつけ医に相談することをお勧めします。
時々便器の中をのぞいてみたり、コップで採尿し、尿が濃くなっていないか、出血や濁りなどがないかなどを確認してみるのも、簡単にできる健康チェックの一つです。
(2020.11.25)