かめだ泌尿器科クリニック 新井 啓
おしっこが近い、いわゆる頻尿は泌尿器科の外来で最も多い相談です。膀胱におしっこを溜められない、急に尿意を感じて我慢ができないタイプの頻尿。おしっこを全部出したつもりでも膀胱におしっこを残してしまうタイプの頻尿(おしっこが残ってしまうとすぐに尿意を感じてしまいます)。膀胱炎などの感染症、膀胱結石や膀胱癌も頻尿の原因となります。水分を多くとり過ぎていることによる頻尿。おしっこのことが気になって何度もトイレに行ってしまう心因性の頻尿もあります。
おしっこをした後に膀胱が空っぽになるか、ならないかの見極めは頻尿の原因を知るために大変重要です。膀胱からおしっこが空っぽになっていれば、溜められるような、または尿意を我慢してもらうような治療薬を使います。膀胱が空っぽにならないと、すぐに膀胱が一杯になってしまい頻尿になります。また、おしっこの残りが極端に多いと腎臓の働きが悪くなる可能性もあります。このような場合はおしっこを出しやすくする治療を最初に行います。
泌尿器科の外来ではおしっこの検査を行い膀胱炎や膀胱癌などがないか調べます。超音波検査ではおしっこを溜められない膀胱なのか、出せない膀胱なのかがわかります。
頻尿の原因を調べるにはおしっこの日記(排尿記録)もとても参考になります。排尿をした時間と排尿量をご自身で記録して頂きますが、三日間ほど記録がそろえば、どんな頻尿なのかが大体わかります。一日の排尿量はおおむね1000mlから1500mlが普通とされています。それを大きく上回っていると水分をとり過ぎていることが考えられます。一回の排尿量が極端に少ない場合には、特殊な膀胱の炎症や膀胱結石、膀胱癌が隠れているかもしれません。
頻尿には色々な種類がありその治療も様々です。頻尿は大きな病気の予兆かもしれません。おしっこの近さが気になる方は医療機関を受診しましょう。
(2022.11.25)