
ささがわ腎泌尿器科クリニック
笹川 亨
排尿が終わり下着の中にしまった後や、便器から離れた後に意図せずにオシッコが下着の中に出てしまう経験はありませんか。排尿後尿滴下と言われる症状で、一般的にはちょい漏れ/追っかけ漏れと言われているものです。
中年以降の男性に多くみられ、50歳以上の男性の3~4割程度の方が経験するとされます。
原因はいろいろな可能性がありますが、主に前立腺や尿道に原因がある場合が多いようです。
オシッコをしっかり振り切ったつもりでも数滴~数cc出るため、下着だけでなく、場合によってはズボンまで濡れたり、シミができたりすることがあるため、外出時でのトイレをためらったり、薄い色のズボンが穿けないなど、日常生活にも影響を及ぼす可能性があります。
この症状だけを治す治療法はありませんが、対策としては
1)ささっと排尿を終わらせず、最後まで排尿するようにこころがける。ただし、必要以上に力むことはお勧めしません。
2)座って排尿するといい方もいます。
3)排尿後に陰嚢の裏側の少し膨らんだ場所(尿道球部と言われる部位)や陰茎根部(根本の部分)を圧迫してみる。あまり強く押したり、必要以上にしごいたりしなければ、これで漏れが減ったり良くなる方は多いので、一回はトライしてみてもいい方法だと思います。
4)骨盤底筋群を鍛える。肛門を締めることを毎日数回ずつやってみましょう。
5)こういったことをやってもダメな場合は尿漏れパッドやシートなど当ててみる。
最近は男性用のものがいろいろ販売されていますので、外から見ても気づかれることがほとんどなく、尿漏れの量などによって自分に合った製品を選ぶことは可能になりました。
ただ、病気が隠れている場合がありますので、いつまでも続いたり他に症状があるようでしたら、病気の治療によってこの症状が改善/軽減することがありますから、専門医の受診もご検討ください。
(令和7年11月号)
(2025.11.27)